[WSJ]打倒グーグルのチャンスを逃して来たマイクロソフト

2009年1月18日 at 9:18 pm コメントをどうぞ

私は、梅田さんのブックマークを貴重な情報源として利用していますが、時々、「あ、この記事は梅田さんもブックマークしてるかな?」という確認としても利用しています。
今回は、後者のケース。やはり、梅田さんもブックマークしてました。

[WSJ] Microsoft Bid to Beat Google Builds on a History of Misses

この記事には、本当に引き込まれました。
1998年には、検索と広告を結びつけたオンライン広告会社を買収していたにもかかわらず、当時主流であったバナー広告に賭けてしまったこと、しかもCEOになって間もなかったスティーブ・バルマーは、そのアイディアに反対していなかったものの、自分より3階層下の責任者に権限委譲しており、その決定を覆すことは出来なかったというジレンマがあったこと、さらには2003年にオーバーチュア買収のチャンスがあったにもかかわらず、「これなら社内で開発できる」と判断してしまったこと。(ところが、フタを開けてみたら、サージエンジンのローンチが2004年、検索広告のサービス開始が2006年5月、と大変な時間の損失となってしまった)
会社経営について考える際に、どれも示唆に富む内容ばかりです。

特に、オーバーチュア買収の機会に「社内で開発できる」と判断してしまったことは、グーグルがあえてユーチューブを買収したことと対照的です。
梅田さんの言葉を借りると、「天才的技術者の発想」から抜け出せなかったのが当時のマイクロソフトだったのだと思います。

この買収ニュースを聞き反射神経的に感じたのは、「こんなものゼロから作れば俺たちの方がいいものが作れる」という「天才的技術者の発想」より遥かに上位のところで、Googleがきちんと「正しい経営判断」を下す会社になったんだなぁ、ということである。
[コラム] GoogleがYouTube買収!!! 圧倒的に正しい戦略が迅速に執行されたのだと評価する

とはいえ、唯一の救い(?)なのが、スティーブ・バルマーは、きちんと自分の判断は誤りであったことを認めていること。
ただ叫びまくるだけのおじさんではないことが分かりました(笑)

“The biggest mistakes I claim I’ve been involved with is where I was impatient — because we didn’t have a business yet in something, we should have stayed patient,” Mr. Ballmer said in an interview. “If we’d kept consistent with some of the ideas” that Microsoft had in-house in 1999, “we might have been in paid search.”

「今さら気づいたって、もう遅い」というのがビジネスの世界ですが、重要な教訓を世の中に与えただけでも、社会に貢献しているように思います。
ただ、これを「大企業病」の一言で片付けるべきではないと、私は思っています。
気になるのは、検索広告のアイディアを必死で訴えたメンバーのコミュニケーションの方法に問題はなかったか?ということです。
日経新聞の「やさしい経済学」を執筆されていた今井賢一先生の文章には、コミュニケーションのための言葉の重要性が述べられています。

日本の企業者、特にアントレプレナーの役割を果たすべき人々の課題は、現在の危機の中でもそれぞれが洞察する投資機会を、投資家にも、研究開発者にも、行政にも分かりやすいシグナルとして発信し、伝達していくことである。前回引用したクリステンセンがいうように、「信号を正し、そして不均衡を是正することには、本物の意欲を湧(わ)き上がらせる力」があるのだ。同時に、経済社会の変革の中では、コミュニケーションのための言葉自体をも生み出す必要がある。
2009/01/14 日経新聞

素晴らしいアイディアを持っていたとしても、それを万人に分かりやすく伝える術も持ち合わせる必要がある、ということです。
マイクロソフトともなれば、様々な新しいアイディアが社内で生まれているはず。
それを、うまく上司に伝達し、会社も長期的な視点でビジネスに育てあげること。
果たして、マイクロソフトから新たなビッグビジネスが登場するか?アップル観察の傍ら、少しは気にかけてみようと思います。

With investments into nearly every major area of software, Microsoft has plenty of innovative ideas and technologies. Its challenge is deciding which ones to nurture.

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