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ゲイリー・ハメルが語る、サブプライム問題

ウォールストリートジャーナルで、ハメルが今回の金融危機について、分かりやすくまとめていたので、以下、拙訳。

気になることがあるとすれば、ハメルが教訓として挙げている、「バカは伝染する」例で、Japanese schoolgirlsを取り上げているのは、差別じゃないか?と思うのだが。。。

こうして読んでみると、当たり前のことが見えなくなってしまう、集団心理の恐ろしさが良く分かる。
ハメルは、現実を直視することを「拒絶」してきた、と述べているが、これは人間である以上、逃れられない習性だと思う。
ユリウス・カエサルもこう言っている。

「人間ならば誰にでも、現実の全てが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ていない」

ローマ時代から、いやそれ以前から変わらない真実。
恐らく、これからも対象物を変えたバブルは起こるのだろう。

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Hamel: Failures of Morality and Leadership

ゲーリー・ハメルは、今日の危機は「だまし」と「拒絶」から来ている、と述べている。
彼の分析、解決策は以下のとおり。

テクニカルな分析としては、次のとおり。

■簡単に手に入るお金
米国の消費者は、簡単にお金が手に入ってしまうことで、借金に走り、さらに住宅ローンのデフォルトリスクが大きく広がってしまった。

■証券化
住宅ローンをCDOという債務担保証券にバンドルし、それを第3者に売りつけることで、銀行はそれらのローンを資産からオフバランス化することができた。その結果、銀行各社は、融資基準を限りなく低くし、誰にでも住宅ローンを提供することになった。

■複雑化
こうして銀行によって作り上げられた新しい金融商品は、証券価値の評価を困難にし、格付け機関にとっても、本来のリスクの評価を困難にした。

■レバレッジ
住宅ローン担保証券の最大の購入者である投資銀行やヘッジファンドは、自分達のポートフォリオを最大化するために、巨額の借金をしていた。彼らの多くは、レバレッジというものは常に諸刃の剣であり、遅かれ早かれ、そうなることを忘れていたようだ。

■流動化
こうした複雑化していて新しいものであるが故に、CDOの本当の流通市場というのは存在していなかった。よって、相場が下落すると、資金繰りが苦しくなっている機関投資家は評価損を出すことも困難であった。

こうした商品を構成していたものは、、、

■だまし
うまい住宅ローン銀行は、初めての債務者と共謀し、収入を多めにし、借金は控えめに見せていたようだ。さらに、中身を伴わない販売戦略や説明の欠如が、多 くの債務者を支払い不可能なローンを組ませる結果となった。銀行員にとっての教訓:どんな金融商品でも、嘘やだましによって作り上げられたものは、本質的 に脆弱なものである。

■自信過剰
サブプライムローンをパッケージ化して証券化することに関わっていたウォールストリートの頭脳明晰な人々は、リスクの説明、分散する能力があると 自負していた。頭脳明晰であっても、彼らは高度な知識を欺瞞の区別がつけられなかった。いまや、悲しいことに、彼らはリスク分散はリスクを軽減することと とは異なることを学んだ。大きなレバレッジによってリスクが高まって初めて。

■近視眼
この新しく構成された商品を作り出し、価格付けをする際に、若き実力者達は起こりうるリスクを推定するために複雑な金融モデルに頼っていた。しか し、このモデルは最近のデータに基づくものであり、それらは資産価値がこれまでになく上昇していた期間のものであったため、資産価格が暴落する可能性の予 測は不可能であった。もう一つの教訓:ここ100年の激動を思い出せないからといって、もう一つの激動が起こらないというわけではない。

■どん欲
数百万ドルのボーナスという誘惑によって、スーツを着た真面目な銀行員は、そこそこの給料をもらえるという一般的な感覚を拒絶し、熱狂的な投機家 へと変わっていった。過去のバブルのように、どん欲というものは、人間の愚かさを絶え間なく露呈させるものであることが再び明らかとなった。

■拒絶
2002年の初期あたりまで、住宅価格上昇とともにあったポスト2000年は、特異で持続不可能な時期であることは誰にでも明らかであった。この ケースに見られるように、本当の問題は、将来は予見できないということではなく、将来を受け入れ難いということである。住宅ブームに乗っていた人々は、事 実を直視することを拒み、避けられない事実を無視するという選択をする。

銀行は、こうした人間の弱さに特に影響を受けやすく、結果として食欲異常亢進症にかかりやすい。10年ごとくらいに、近視眼的な銀行員は、巨額の 債務を貪り、国債やロシア債、住宅ローン担保証券などを作り出し、これらの資産を積み上げる。今回は、銀行がアメリカ経済全体に全てを投げ出したというこ とになる。

とはいえ、今回の金融危機は、我が国の金融機関を統括する人々に求めているような道徳観を持ったリーダーを前面に立たせることになると言えよう。 それは、正直さ、謙遜、慎重さ、先見性、そして監督と報告の責務である。米国の金融システムの土台を再構築すると考えられている規制や資本の再構成より も、これらの道徳観は重要な要素である。

ワシントンで論争している官僚がどんな救済計画をでっち上げようとも、一つの条件を加えた方がいいだろう。特に、公的資金を受ける全ての銀行家は、次の永遠の真実を額に刺青することに同意しなければならない。

■錬金術はあり得ない
数百年前にアイザック・ニュートンが明らかにしたことは、今日でも真実である。不純物(今回のケースでは、屑のようなローン)は、どんなにあなたが優秀であっても、金(AAA証券)に変えることは不可能である。

■永遠なんてものはない
推定された傾向が、ばかげた結果(百万ドルの住宅)を生み出すとしたら、その逆もあり得る。だから、そのようなことは起こらないということに賭け続けてはいけない。

■リスクとリターンの相関関係は避けられない
恐らく、毎年毎年、プラスアルファのものを生み出すことが出来る人もいるだろうが、それは恐らくあなたもなければ、あなたの知り合いでもない。

■バカは伝染する
銀行家として、レバレッジと複雑化に取り付かれていた強迫観念について、再考した方がよい。そして、日本の女子生徒のように、ばかげた流行に影響を受け易いという真実を認めるべきだ。

これは、銀行家の過食症の治療にはならないが、ここから始まる。

Add comment 2008年10月4日


 

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