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オイルマネーの行方
HBR9月号で、オイルマネーの特集記事を見つけた。
HBR: Where Oil-Rich Nations Are Placing Their Bets
今や、GCC諸国(バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)は以前の石油ブームの時代とは異なり、より戦略的にオイルマネーの投資先を選定しているという。
それが、世界の金融システムや、産業、そして自国の再形成を行っている、というものだ。
その前に、ビジネスウィークで、同様のオイルマネーに関する記事を見つけたので、参考までにメモしておく。
こちらは、今年の2月時点のものである上、文脈も多少異なるが、ここで挙げられている問題点は、今後、オイルマネーの動きを見る際のポイントとなると思う。
BW: Gulf States Must Use Oil Wealth Wisely
1.さらなる世界の金融市場への資金の流入が、不当な資産価値のインフレを起こさないようにするにはどうするのか?
2.湾岸地域における若い世代の人口の増加に対し、十分な給与を支払える職をどのように作り出すのか?
3.湾岸地域諸国が行う投資の決定が、世界の金融市場を震撼させないためにはどうするか?
4.政府のコントロールによる投資ファンドに対する懸念(政治的な目的のために潤沢な資金を使われない)を、どのように和らげるのか?
では、HBRに戻って。
西欧の再形成
GCC諸国の西欧に対する影響は、3つの点において重要となっている。
1.巨額赤字の補填(特に米国)
2.アラブ諸国は、M&Aの流れに乗り、企業の資産を買い進め、西欧組織への資本注入を行っている。
3.GCC諸国は、積極的な発展や戦略的投資を進めるにつれ、世界中から有能な人材を引き抜いている。
この他、GCC諸国の近隣における国々(中東、北アフリカ地域)の再形成も行っている。
エジプトやヨルダン、モロッコ、シリアといった国は、GCC諸国にとって、投資機会の魅力度を増している。他の国々が中東地域への投資を躊躇している一方で、GCC諸国は市場全体を一掃することができるのだ。
HBRでは、オイルマネーの影響力について、注目度が今まで足りなかったことに対して警鐘を鳴らしている。
石油価格の上昇や、枯渇問題、急成長をしている中国やインドに注目が行き過ぎた、と。
オイルマネーが使われていることについての注目といっても、スポットライトが当たるのは、SWF(政府系ファンド)が、経営に行き詰まった米国の銀行や投資銀行への資本注入についてくらいであった。
しかし、世界の商業における影響力など、さほど重要ではない、という。
西欧の救済よりも、GCC諸国がより近い国々、中東や北アフリカ地域とのビジネス関係の形成や、関心度の方がより重要だ、と。
GCC諸国は、単なる石油だけではない、より多くのもので満たされている。それは、野心であり、才能であり、世界の金融システムにおける重要なハブとなる資本だ。
それは、無視できない、というより無視してはならない。
以上、簡単に訳してみたが、ウォールストリートジャーナルで、このような記事も見つけた。
WSJ: America and the New Financial World
こちらの記事は、GCC諸国を中心に話を展開しているわけではないが、米国は、この数年で富の流出が起きており、投資先としても魅力度が落ちているという内容だ。
米国は、世界資本市場の中心地であったが、これからは重要な地位を占めるとしても、中心地ではなくなる、と見ている。
この状況は、1970年代に、製造業の中心地としての地位をドイツや日本に取って代わられた頃の状況と似ている、という視点は興味深い。
今、GMが生き残りをかけて奔走している状況が、金融業という業界に名を変えて、将来起こるということなのかも知れない。
Add comment 2008年10月16日