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[Economist] All you need is cash

今日から2009年。
自分は今年が本厄年でもあり(思いっきり蛇足)、また、経済環境も明るい見通しが全く持てないという状況。
忘年会でも、気づくと話題は「景気がどうビジネスに影響しているか」という方向になり、何となく雰囲気も暗めに。。。

とはいえ、こんな時こそ、世の中がどう変化し、自分の仕事、生活にどう影響が及ぶのか、自ら考えていかなければいけないと思う。
ということで、新年最初の学習は Economist から。

Economist: All you need is money

1980年代から続いて来た企業経営の常識が、ここにきて変化しているという話。
今までは、身軽な企業が理想とされてきた。自社の強み以外はアウトソースし、ジャストインタイム供給をグローバルに行う、借入金によってレバレッジを効かす、古いコングロマリット経営は否定され、現金を内部留保する企業は懐疑の目で見られていた。

ところが今や、信用収縮によって資金調達が困難となった結果、とにかく現金を獲得するということが主眼に置かれている。
シリコンバレーにおいてすら、セコイアキャピタルが出資先に従業員カットや、すぐに収益が上がらないビジネスプランは縮小するように、という指示を出しているくらいだ。

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ここで思い出したのが、Business Week のアップルに関する記事。

BW: How to Spend Apple’s Cash.

現金が溜まる一方のアップルは、どのような使い道を考えているのか?と問いかけている。
記事の冒頭では、「2003年からアップルの株価は1,474%も上昇したし、株主としては文句がないけど、一つ文句を言うとしたら、溜まる一方の現金に手をつけていないこと」として、やはり内部留保をする企業は肯定的に見られていない。この記事は今から半年前のものだから、1年どころか、この半年の間に一般常識が変化したということが良く分かる。

今となっては、アップルはスティーブ・ジョブズの健康問題の話題で、現金の使い道どころの話ではなくなっていますが。

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再びEconomistの記事に戻って。
現在の状況の変化を一言で表すと、”just in time” から “just in case” ということで、”タイムリーに”から”もしもの時のために” となるわけだが、ただやみくもに現金を捻り出す策に走ることには警鐘を鳴らしている。
企業が、支出を減らすことで、世界経済が失速することになり、個人はもちろんのこと、企業自身も打撃を受けることになるからだ。

勝ち組、負け組の分かれ道は、「どの費用を削減するか」ではなく、「どのように削減し、何を削減しないか」によって決まるだろう。
不況期こそ、新しいビジネスを始めるチャンスであるのは、大企業自ら、成長の機会を急速に逸していくからだ。オラクルやマイクロソフトも、不況期に生まれている。

この主張を読んで思い出したのが、The Wall Street Journal のクリステンセンのインタビュー記事だ。

WSJ: How Hard Times Can Drive Innovation

クリステンセンによると、イノベーションが失敗に至る要因の一つは、企業がイノベーションに大量の金額を費やすこと、だとしている。飛躍的なイノベーションは、切羽詰まった状況で、リソースが限られた中で生まれるのだ。
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私など、不況期にオラクルやマイクロソフトが生まれた、という指摘と、不況期こそイノベーションが生まれるチャンスだ、という主張を読むだけでグッときてしまう。
第2のオラクル、マイクロソフト、アップル、をこの目で見られるかもしれないのだから。

となると、やはり気になるのはシリコンバレーの現状だ。
ちょっと長いので、メモ書きはまた後日に。

BW: Whatever Happened to Silicon Valley Innovation?

1 comment 2009年1月1日

オイルマネーの行方

HBR9月号で、オイルマネーの特集記事を見つけた。

HBR: Where Oil-Rich Nations Are Placing Their Bets

今や、GCC諸国(バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)は以前の石油ブームの時代とは異なり、より戦略的にオイルマネーの投資先を選定しているという。
それが、世界の金融システムや、産業、そして自国の再形成を行っている、というものだ。

その前に、ビジネスウィークで、同様のオイルマネーに関する記事を見つけたので、参考までにメモしておく。
こちらは、今年の2月時点のものである上、文脈も多少異なるが、ここで挙げられている問題点は、今後、オイルマネーの動きを見る際のポイントとなると思う。

BW: Gulf States Must Use Oil Wealth Wisely

1.さらなる世界の金融市場への資金の流入が、不当な資産価値のインフレを起こさないようにするにはどうするのか?
2.湾岸地域における若い世代の人口の増加に対し、十分な給与を支払える職をどのように作り出すのか?
3.湾岸地域諸国が行う投資の決定が、世界の金融市場を震撼させないためにはどうするか?
4.政府のコントロールによる投資ファンドに対する懸念(政治的な目的のために潤沢な資金を使われない)を、どのように和らげるのか?

では、HBRに戻って。

西欧の再形成

GCC諸国の西欧に対する影響は、3つの点において重要となっている。
1.巨額赤字の補填(特に米国)
2.アラブ諸国は、M&Aの流れに乗り、企業の資産を買い進め、西欧組織への資本注入を行っている。
3.GCC諸国は、積極的な発展や戦略的投資を進めるにつれ、世界中から有能な人材を引き抜いている。

この他、GCC諸国の近隣における国々(中東、北アフリカ地域)の再形成も行っている。
エジプトやヨルダン、モロッコ、シリアといった国は、GCC諸国にとって、投資機会の魅力度を増している。他の国々が中東地域への投資を躊躇している一方で、GCC諸国は市場全体を一掃することができるのだ。

HBRでは、オイルマネーの影響力について、注目度が今まで足りなかったことに対して警鐘を鳴らしている。
石油価格の上昇や、枯渇問題、急成長をしている中国やインドに注目が行き過ぎた、と。
オイルマネーが使われていることについての注目といっても、スポットライトが当たるのは、SWF(政府系ファンド)が、経営に行き詰まった米国の銀行や投資銀行への資本注入についてくらいであった。
しかし、世界の商業における影響力など、さほど重要ではない、という。
西欧の救済よりも、GCC諸国がより近い国々、中東や北アフリカ地域とのビジネス関係の形成や、関心度の方がより重要だ、と。

GCC諸国は、単なる石油だけではない、より多くのもので満たされている。それは、野心であり、才能であり、世界の金融システムにおける重要なハブとなる資本だ。
それは、無視できない、というより無視してはならない。

以上、簡単に訳してみたが、ウォールストリートジャーナルで、このような記事も見つけた。

WSJ: America and the New Financial World

こちらの記事は、GCC諸国を中心に話を展開しているわけではないが、米国は、この数年で富の流出が起きており、投資先としても魅力度が落ちているという内容だ。
米国は、世界資本市場の中心地であったが、これからは重要な地位を占めるとしても、中心地ではなくなる、と見ている。
この状況は、1970年代に、製造業の中心地としての地位をドイツや日本に取って代わられた頃の状況と似ている、という視点は興味深い。
今、GMが生き残りをかけて奔走している状況が、金融業という業界に名を変えて、将来起こるということなのかも知れない。

Add comment 2008年10月16日


 

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