デザインは命を救う
2008年9月23日

Philips: Philanthropy by Design
総合エレクトロニクスメーカーのフィリップスが、発展途上国における市場開拓にデザインをもってして取り組んでいるという話。
デザインというと、「見た目に美しい」「機能的」といった単語をイメージしてしまうけれど、実は人間が生きる上で必要不可欠な要素であることを改めて気づかせてくれた記事だった。
写真は、フィリップスがデザインし直した、土で出来たコンロだ。
それまでは、部屋中に煙が充満し、火傷もしやすかったものを、フィリップスが改良した。
国連の推定によると、こうした原始的なコンロによって煙に巻かれて命を落とす人が世界で年間160万人いるという。
フィリップスというと、医療機器や照明、映像機器が主力製品だ。
にもかかわらず、このような原始的な製品開発に取り組む背景には、
* デザイナー達の将来成長する地域に対する見識を高める
* 社会的責任に対する評価を高める
* 新しい市場での基盤を築く
といったようなことが挙げられる。
“We must create a design strategy that will improve the quality of life in both the developed and developing world,” says Stefano Marzano, chief executive of Philips Design.
質の良い製品を大量に作り出すだけでは十分でないことを理解しているだけでなく、創業から120年近く経つ大企業が、大きな転換を図っている。
とはいえ、収益の出るビジネスになるかどうかは未知数。
発展途上国で用いられる製品を作るということは、それだけ収入の少ない生活者が購入できる値段にし、それに見合うコスト構造も必要だ。
Says Unmesh Kulkarni, senior design manager for Philips in Pune: “Designing for simple solutions at the lowest possible cost is in many ways more challenging than designing a very advanced, high-tech solution.”
使いこなせないほどの機能を持った製品に囲まれる身としては、「次は何が出来るようになるんだろう」という視点になりがちなところで、新たな視点をもらった気がする。
そういえば、2年前のTR35の受賞者に、難民の人々でも使用できる金属製のコンロを開発した女性がいたことを思い出した。せっかくなので、リンクを含めてここに記しておくことにしよう。
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